Road to 運動会

春から、高学年を中心に、常石小学校オリジナルの自分たちで作り上げる運動会を計画しています。
今までの運動会と違い、自分たちで競技や応援パフォーマンスを考え、実行することで、みんなで作り上げる経験を深めてほしいと願っています。
常石小学校として最後の運動会となります。
そして、常石ともに学園の開校に向けて、共同体という意識を持ち、子ども、教職員、地域や保護者と連携しながら、笑顔を増やしていけたらと考えました。
 
4月は、運動会を子どもたちの手で作っていくことを、全校児童で話し合いました。
まず、縦割り班に分かれます。
そして、班でひとつ、競技を企画し、準備と実行を任されることになりました。
競技のアイデアが子どもたちからたくさん出ます。
既存の運動会競技には無かったものも、多く意見が上がりました。
本当に実現可能なのか?大人は心の中で心配もありましたが、まずは子どもたちの自治と豊かな発想にゆだねることにしました。

 

 

※写真は2021年4月の様子です。

縦割り班は全部で6班。それぞれ、チーム名を考えました。チームで大事にしたいこと、チームカラーなど、子どもたちのさまざまな思いが込められていました。

自分たちで作り上げる運動会というコンセプトが子どもたちの間に浸透し始めたころ、第一の大きな試練が襲ってきました。
4月の緊急事態宣言発令により、5月23日に予定していた運動会を延期せざるを得なくなりました。
とても残念でしたが、秋の開催に向けてよりよいものを作る・考える・練りあげる時間が増えたと考え、感染予防に注意を払いながら少しずつ準備を進めていくことにしました。

まず運動会までのスケジュールの見直し。
ここは先生も入り、6年生を中心に練習計画の調整をしました。
運動会練習の時間ややるべきことは、それぞれのチームで異なり、進捗にも幅がありました。
団長・副団長から、他のメンバーに練習予定を伝えるときは、児童玄関に置かれたホワイトボードを使用します。
いつ・どこに・なにを持って集まるかをチーム別に掲示しました。
児童玄関なので、子どもたちみんなが毎日目にすることができ、とてもいいアイデアでした。


5月、6月はチームで考えた競技の準備と、運動朝会の時間を使ってリハーサル、そして振り返りを行うことに力を入れました。

 

 

 

 

 

※写真は2021年5月6月の様子です。

オリジナルまとあてがある障害物競争、割った風船の数を競う競技、逃走中などさまざまです。
実際に本番と同じようにやってみることで、課題を見つけていきます。
その競技に出場しない子どもたちは、周りの子と話したり、応援したりしながら、よいところや改善点を見つけました。
実際にやってみると、低学年には難しいものもありました。また、想像していたものとは違うことも分かりました。やっている人は楽しくても、見ている人はよく分からないという意見もありました。
子どもたちみんなが運動会を自分のこととして、真剣に考える姿が見られました。

 

 

他のチームから出た改善点を受けて、さらにチームで再検討しました。

 

※写真は2021年5月6月の様子です。

さらに同時並行で、開会式に入場するときのパフォーマンスもチームで考えます。常石小学校の運動会でずっと続いていた応援団をやりたいチーム、流行っているダンスを取り入れたいチーム、可愛いキャラクターに変身したいチーム、オリンピックの開会式をイメージしたチームもありました。こちらは、常石小学校伝統の応援合戦の練習の様子です。

 

 

低学年は、図工の時間を利用して、競技の得点に使用するメダルを作りました。
プラバンに、デザインを写し、マジックで色を塗り、トースターでメダルにしました。
みんなで100個以上作りました。
うまくできたとみんな満足そうな様子でした。

 

 

 

コロナによる運動会延期以外にも、これまでの過程で、たくさん課題にぶつかってきた子どもたち。すべてが順風満帆だったわけではありません。
意見の衝突があったり、発達の差によって低学年には難しい準備や活動もありました。一から子どもと作り上げるていくには時間もとてもかかりますし、6年生が低学年と一緒に進めていくことに対して難しさを感じていたこともありました。
そこは、先生も一緒になって悩み、考え、よりよい解決策をアドバイスしてきました。
2学期は、コロナの再拡大によって、再び運動会の練習に制限がかかることが予想されます。
子どもたちのがんばりがなんとか形になるよう、教職員一丸となってサポートしていきます。

 

2021年08月27日