哲学対話をしよう

子どもたち同士の協働や、自分の考えを広げたり深めたりするために、哲学対話をしています。

哲学対話は最終的に答えが出なくても問題ありません。
必要なのは、どんな考えも受容され、認められる環境です。
何回か対話を繰り返すうちに、
「なるほどね。」「そういうことかあ。」「〇〇さんはどう思う?」
という言葉が増え、子どもたち同士で対話を深めようをする姿が少しずつ見られるようになりました。
継続して取り組むことは、子どもたちの大きな力となっています。

今回の哲学対話のテーマは「嬉しいという気持ちはどこで生まれるの?」です。

どのテーマも、「うーん。どういう意味だ?」と一考を要するものばかり。
今回も例外ではありませんでした。

まず、「どこで生まれるの?」という言葉に着目しました。

「心臓(ハート)に気持ちが生まれるところがあって、それが脳に伝わっているのだと思う。」
「脳に気持ちを作る場所があって、それが体に伝わるんじゃない?」

という考えがでました。
異なる考えが出ても、否定する子はいません。

すると、どこからともなく、「そもそも嬉しいって何だろう?」という新しい問いが出てきました。

哲学対話の醍醐味はこういうところにあります。
「そもそも〇〇って何だろう?」と、物事を深く掘り下げるきっかけが生まれる時もあります。

「嬉しいって普通に使うけど、深い意味を考えたことがない。」
「ねえねえ、(ためしに)嬉しくなる言葉を言ってみてくれない?」
子どもたち主導で、対話が進んでいきます。

互いにうれしくなる言葉を掛け合ったことで、気づいたことがありました。
「そっか。(嬉しいって)心がホッとするんだね。色だと青から赤になる感じ。」
「あったかくなる感じなのかな。」
「あ~。なるほど。」
みんなの心がほっこりしたところで、哲学対話の時間は終わりとなりました。

こうした経験を通して、物事の本質を考えたり多角的に見たり考えたりする力の素地が身につくと良いなと思っています。

 

 

2022年02月10日