津波を想定して

 先月のことになりますが、地震と津波を想定した避難訓練が行われました。
11月5日は、「津波防災の日」であり、国連でも「世界津波の日」と定められています。
江戸時代の安政東海地震(和歌山県)の際に、村人を津波から救った濱口梧陵のエピソードにちなんで制定されたそうです。

海が真横にある常石小学校も、地震の際は津波が必ず来ると想定して行動しなければなりません。
放送で緊急地震速報が流れると、全員机の下に隠れて、頭や体を守りました。

 

 

体操服や給食着などで頭を保護しながら、速やかに一時避難場所である運動場に集まり、人数を確認しました。

 

 

その後、大きな津波が襲ってくることを想定し、高台にあるふれあいプラザまで避難しました。
今回は、いつもの避難コースとは別の道、すぐに高い場所へたどりつけるかけあしコースの坂道を通って避難しました。
大きな津波が襲ってくる場合は、身を守るためにより早く、より高い場所へ避難することが必要になります。
ふれあいプラザが二次避難の場所ではありますが、津波の状況によっては、さらに高い場所への避難が必要になってくることも考えられます。
さまざまな場合を考えて、複数の避難経路、避難場所を子どもたちも把握しておかなければなりません。


避難訓練の後、ひろしま防災パンフレットを使って振り返りをしているときのことです。
子どもたちから
「常石郵便局の前で津波の看板を見たよ。あれなんだろう」
「そういえば学校の校門のところにも、津波の看板があった」という話が出ました。
気になって見にいくと、校門にはこんな看板がありました。



小学校は避難場所に指定されていますが、津波の際は学校に避難するのは危険だという看板でした。
「津波の時は学校ではなく高台に逃げないといけないね」と話し合いました。

常石郵便局の前にはこんな看板がありました。



海抜を表す看板です。
その隣の保育園、コンビニでも同じ看板を見つけました。




「郵便局から保育園、コンビニまで、よく見ると坂道になっている!」

すぐ近くの場所でも、海から地面までの高さが違うことに気がつきました。
さらに、「登校班で来る途中にも同じ看板を見たよ」と話す子がいました。

その場所を見に行くと…



海を見下ろせる高台の道路横にありました。
「海抜というのが海からの高さだと分かったよ」
「津波の時にはこの数字が大きい場所をさがして逃げます」

実際に看板がある場所に足を運んで、看板の意味を確かめることができました。

常石小学校は海沿いに住む子どもたちが多い一方で、学区外から通う子どもは家から海が遠く、津波への意識がそこまで高くない場合もあります。
また、必ずしも大人と一緒にいるときに地震津波が発生するとも限りません。
万が一の時は、自分たちで考え、自分たちで命を守るための正しい行動がとれる子どもたちでいてほしいと願っています。

2021年12月07日