身近に感じて,新聞

常石小学校では朝登校すると、子どもたちの机の上にその日の新聞のコピーが置いてあります。
1年生から6年生まで、全員です。
教頭先生が、毎朝「毎日小学生新聞」の一面と、ニュース面を両面印刷しています。

そして、廊下のソファ横には新聞コーナーが設置してあり、いつでも誰でも読みやすい環境を作ってあります。
新聞は、「毎日小学生新聞」と、毎週木曜日に発刊される「読売KODOMO新聞」の2種類が用意してあります。
読むのも、読まないのも子どもたちの自由です。
でも、どんな些細なことでもよいので「おっ!これって、面白いな」と感じるヒントになってくれればいいなという願いを込めています。

ある日、2年生の男の子が登校して、小学生新聞を眺めていました。
読む、というより、眺めていたという感じです。
「えっ!先生これ見て、読み方がちがうよ!」
その日の一面は「『生(き)の芸術』わき上がる思い…」という見出しから始まっていました。
一緒に読み進めていくと、独学で創作し続けるアーティストの作品を展示した展覧会が開かれているという記事でした。芸術の専門教育を受けていない人が、西洋絵画の伝統や文化にこだわらず、内面からわき上がるものを表現する芸術を、「生(き)の芸術」をと呼ぶそうです。

「生」という漢字の読み方に不思議を感じたのでしょう。
「本当にこんな読み方するのかな?いつもは、「せい」とか「いきる」って読んでいるけどなぁ…。」
と言いながら、教科書のこれまでに習った漢字のページで、調べ始めました。
すると、「見つけた!『き』という読み方は中学生になったら習うみたい!でも、もう読めるよ!」
そう言って満足そうな表情でした。
そしてその後、一面と裏面をひととおり眺めたのち、新聞は工作の材料へと変わってしまいました。

私たち大人も、読み終わった新聞は、掃除など様々な用途に再利用しますものね。
新聞から広がった子どもの学び。
子どもの学びって面白いと感じた出来事でした。

クラスでも、読み方や使い方は様々です。
低学年では、内容を理解できなくても一緒に音読することで、「正しい日本語の文章」に慣れさせることができます。一記事をピックアップして、一緒に読みながら朝のサークルで内容について話し合うこともあります。
高学年では、ワールドオリエンテーションで活用したり、調べ学習のヒントに使っています。

子ども新聞にはニュースの他にも、パズルや謎解き、漫画やファッションコーナーなど多彩な記事が掲載されています。
これからも、子どもたちの探求の刺激になっていってほしいなと願っています。

2020年09月08日