つねいし交流広場~よりよい共同体を目指して~

「つねいし交流広場」が今年も開催されました。
昨年度は午前が学校主体の「運動会」,午後が地域主体の交流広場としていたものを今年度は,一日通して,「つねいし交流広場」という形で行いました。
『よりよい共同体を目指していく』という目的を学校と保護者そして地域がそれぞれの立場から考え,関わることで,よりよいものにしていきたいという子どもたちの想いに保護者と地域が賛同してくださったことで実現することができました。
それぞれの立場から想いを出し合うことで多様な考えや発想が生まれていきます。
しかし,多くの考えが出れば出る程,それをどうまとめるか,どのようにすりあわせるかは,これまで以上に難しくなっていきます。
そんな困難も乗り越えながら,開催するまでの中で考え,感じたことを二つ書いていきます。

 

一つは,「生み出す」難しさです。
今年度も子どもたちは全6チームの縦割りグループに分かれ,各チームが一競技をつくりあげました。
チームで競技のアイデアを出していくのですが,3年目となるとこれがまた難しい。
『重なる所はあってもいいけれど,なんとなく変えたい気持ちがある』
『去年を超えるなんて思う必要はないけれど,よりよくしたいと思う自分がいる』
そんな葛藤がちらほら見られました。
昨年度保護者から好評だった競技を子どもたちに伝えると,
「シンプルな方が見ている人は楽しいんかもな~」
「どのチームが勝っとるかのわかりやすさがいいんじゃない」
など見ている人の立場も考え,今年度の競技に生かそうとしていました。


 

今年度は「ともに楽しむ」ということを目的の一つにおいていたので,
保護者や地域の方々もともにできる要素を取り入れようと考えるのですが,これもまた難しい。
「大人の力でチームに差が出てしまったら不公平じゃないかな」
「大人対子どもにするとこのルールのままでは大人の方が速くなっちゃうよな~」
縦割りの6チーム対抗で優勝を決めるという,競う要素は無くしたくない子どもたち。
だからこそ,競技の勝敗で楽しさがなくならないように,別のチームの人の反応を想像して考えます。
また,「大人は楽しめる競技かな。」
「結局見ている人に分かりにくくなってないかな。」
など見に来た人や参加してくれる人の気持ちも想像しながら考えます。
相手のことを考え,相手を大切にするために想像力を働かせる子どもたちの姿に
「ああ,こういうことが共同体なんだろうな。」と感じました。

 

 

そしてもう一つは,地域の人たちの想いの強さです。
今回は,全体の打ち合わせや交流競技の検討など,地域の方々との会議を何度も行いましたが,その話し合いは,聞いているだけで胸が熱くなるものでした。
地域の未来と子どもたちの未来を本気で考えるからこその大人たちの話し合い,この様子を子どもたちにも見せたい,そしてこの場に子どもたちが参加していきたいと思いました。

「共同体」いろいろな年齢,様々な考えを持つたちが世の中にはいて,その一人一人がいて世の中はまわっている。
普通に生活していたら,なかなか気づけないかもしれないけれど,そこに目を向け,相手を知り,関わることができれば,一人一人の居心地がよくなり,世界がちょっぴりやさしく,あたたかくなる。
まずは自分たちの街から,そんなことを真ん中において取り組む「つねいし交流広場」にこれからもなっていけばいいと思います。

 

 

いろいろなことがありながらも迎えた本番。
ともに楽しめる場をともにつくりあげることができました。
各チームの個性あふれる入場パフォーマンスに始まり,6チームが考えた競技,久々に復活した「パン食い競争」や大人VS子どものガチ勝負の玉入れなど。
児童とボランティアの中高生,園児の実況もありながら,どの競技もともに楽しみ,つくりあげていきました。
そして4年ぶりの復活となった常石に伝わる「常石よいとこ」をみんなでおどるフィナーレは最高でした。
「競技がどんどんよくなっていますね。一緒に参加できて楽しかったです。」
「こんなに子どもたちが楽しそうに取り組めている運動会(つねいし交流広場)ってすてきですね。」
と私たちが目的としてきたことに関するお声を保護者の方々からいただき,とても嬉しい気持ちになりました。


もちろん課題もありました。次の週に,来年度に向けて子どもたちと良かったところを認め合いながらもよりよくできることはないかと話し合いました。今年で卒業する6年生からたくさんの意見が出たことが本気で取り組んできた証だと思います。来年度,ボランティアとして帰ってくるのが楽しみです。つねいし交流広場に関わってくださったみなさん,ありがとうございました。

 

 


2023年11月15日