みんなで作ろう “とんど”プロジェクト

常石の地域では,毎年小正月の頃にとんどの行事が行われます。
無病息災を願い,その年に飾ったしめ縄や門松,書初めを燃やします。

常石のとんどに参加した子どもたちから
「自分たちでとんどを作ってみたい!」という声があがり,3学期に自分たちでとんどを作ることになりました。

初めに,福山の歴史について描かれた本から,とんど祭りがなぜ始まったのかを調べました。
今からちょうど400年前の1623年のお正月。
前年に完成した福山城の築城を祝う儀式が行われ,福山の繁栄を願って,町じゅうでとんどが燃やされたそうです。
そこから福山のさまざまな地域に広まっていき,今日まで残る伝統になったと言われています。

 

本来のとんどは,竹を組んで作るのですが,用意が難しく作業も時間がかかりそうだったことから,12月に作った段ボールのクリスマスツリーを再利用することにしました。
クリスマスツリーの周りに,稲わらを重ねて,とんどの形を作りました。
そして,3学期のはじめに作った絵馬・しめ縄・かきぞめ・干支の紙工作などを入れました。
運動場では,穴を掘って,土が焦げないように工夫しました。

 

 

「元気に過ごせますように!」という元気なかけ声を合図に,点火係の子どもたちが火をつけました。
あっという間に燃え上がるとんどの大きな炎を見て,
「今年も元気に過ごしたい」「たくさん勉強をがんばりたい」「友達と仲よく遊びたい」
子どもたちは,2023年の願いをとんどに託しました。



安全にとんど祭りができるように,地域の消防団の方が力を貸してくださいました。
水消火器での消火作業を体験し,さらに火が燃えた後の正しい処理の方法も教えてもらいました。

福山城や常石地区のとんど祭りと同じように残り火で,おもち,味噌おにぎり,マシュマロを焼いて食べました。

 

 

 

味噌焼きおにぎりは,初夏から秋にかけてバケツイネで収穫した米と,
昨年国語科『すがたをかえる大豆』を読んで,みんなで仕込んだお味噌を使って作りました。
大豆を握りつぶす作業が大変だったことを思い出した子どもたち。
しかし,その粗い大豆の粒がとてもおいしかったと話していました。
自分たちで作ったものは,おいしさも喜びも2倍になりました。

しめ縄も,自分たちで育てた稲わらを使っています。
お米を育てる体験を通して,稲わらが様々なものに利用されていること,古くから人々の願いを込めたとんどやしめ縄に変わっていくことなどにも気づきました。

とんど活動を通して考えたことは,常石TVとして制作し,もよおしの場で発信していく予定です。

2023年02月16日