昆虫食プロジェクト

「先生,虫ってね,食べられるらしいよ」
給食ポスターで紹介されていた昆虫食に子どもたちが興味を持ったことから,
1学期の昆虫食プロジェクトが始まりました。

 

まず最初に,無印良品で売っている“コオロギせんべい”と“コオロギチョコ”を買ってきて食べてみました。とてもおいしかったのですが,コオロギが入っていることは,見た目からも味からも分かりませんでした。
実際に見て,触って,におって,折った音を聞いて,そして,食べてみて,五感で感じながら
子どもたちの中に探究の芽がむくむくと芽生えていくのが分かりました。
そこで昆虫食について,問いを立ててみることにしました。

 

長野県では昆虫食を今でも食べているということで,長野県にゆかりのある保護者の方に協力していただき,郷土料理の“イナゴの甘露煮”を送っていただきました。
イナゴを食べるのは,子どもたちも,そして学校にいる大人たちも初めてです。

 


「おいしい!」「あまい!」「イナゴと目が合った」という感想,そしてそこから
「どうやって作っているんだろう?」

「イナゴは魚のように畑で獲って加工しているのかな?」
「他にも昆虫食はあるのかな?」
など新たな問いが生まれました。
なにかひとつ活動をするたびに「どうして?」「なんで?」「こう思うけど,どうかな?」という新しい問いがどんどん膨らんでいる子どもたちの姿がとても印象的でした。

分からない時は,専門家の人に聞いてみよう!と考えた子どもたち。
イナゴの甘露煮の製造と販売をされている長野県の須坂食品工業株式会社のみなさんに,オンラインで聞いてみることにしました。

 

実際にお話を聞いてみて,甘くておいしいイナゴの甘露煮を作るために,
品質管理や味へのこだわりを持って働いておられると分かりました。

「イナゴをおいしくするのにこんなに大変なんだと思った。大変さが分かったよ」
「私たちと話をしてくれて,うれしかった」
「勇気を出して手紙を送ってみてよかった。
次になにか探究する時も,詳しい人に質問できそう。知らない人と話しをするのに自信が出てきたよ」
といった感想を持ちました。

企業の方とこんなふうにお話したり,質問したりできる機会はめったにありません。
いろんな人が社会を豊かにするために働いていることや,
作り手の方が味にこだわりを持って作られていることが分かりました。
昆虫食を通して,さまざまな出会いと発見がありました。
お忙しいなか,子どもたちの質問にお答えいただいた須坂食品工業株式会社のみなさん,
本当にありがとうございました。


2022年07月20日