常石ともに学園のやくそくは、「みんなが安心して過ごせる学校にするために みんなが成長できる学校にするために 自分と相手を大切にした行動をしよう」です。

このやくそくには、「だから~する」 ということは書いてありません。
「約束を守るために大切なことを学級で話し合おう」と書いてあります。
今から5年前、当時の6年生が「新しい学校にふさわしいきまり」を作ることにチャレンジしました。常石ともに学園開校に向けた準備期間でのことです。
自分たちは常石小学校を卒業していくけれど、これから常石で学ぶ人たちが、自分たちで考え行動していくのがいい!と考え、このやくそくが生まれました。
残念ながらこのやくそくを作った後コロナ禍で、お披露目することなく当時の6年生は巣立っていきました。
新年度、始業式の日。在校生のみんなにこのやくそくを伝えました。そして、学級で大切なことを話し合いました。
それから毎年、それぞれの学級で「自分と相手を大切にした行動」について話し合っています。『相手の名前は呼び捨てをしないようにしましょう』とか『バカとか死ねとか言わないようにしましょう』という明確な約束ではありません。だから、「自分と相手を大切にする行動とは?」考えなければなりません。
私たちはついつい自分の感情を相手にぶつけてしまったり、明らかに相手を大切にしていない行動をとってしまったりすることがあります。
2学期の後半11月は、大きな催しであるつねいし交流広場(運動会)も終わり、2学期最後の催しまではすこし間があり、張り切っていた気持ちがプシュッとしぼむ時期なのかもしれません。学校の中でも、乱暴な言葉を使ったり、相手を大切にしていない行動をしている人がちらほら見られるようになりました。
私たちは何かあるごとに、対話しています。
そこで、まずはそれぞれの学級で「言葉遣い」について対話しました。「相手を大切にするとはどういうことだろうか?」「大切にするのがふだん仲のよい人だけになっていないかな?」「大切にするためには、考えることが必要なのではないだろうか?」「考えると言葉や行動が変化するはずだよね。」等、みんなで話し合いました。
教職員同士でも対話をしました。「相手を大切にするってどういうことだろう?」「大人も考えて言葉を使うことが大事」「何が正解かわからないけど大人である私たちもずっと考えていきたい。」
そして、全校ミーティングを行いました。
ある先生が、自分の小学校時代の経験を語り始めました。
「自分が小学校5年生の時、友達を言葉で傷つけたことがあったんだ。そのことを友達に謝ったとき、友達も、友達のお父さんもお母さんも、ぼくも、ぼくのお父さんもお母さんも、みんな泣いた。友達は、許してくれたけれど、自分は今でもそのことを悔やみ続けている。なんてことをしてしまったのだろう…と。やってしまったことは消せないし、心の痛みもずっと消えない。きっと友達の心の痛みも消えていないと思う。自分は、先生となってみんなの前に立っているけれど、みんなには自分と同じような思いをしてほしくない。~」
みんな真剣に耳を傾けます。
他の先生も語っていきました。常石ともに学園の一人として…
その後、それぞれの学級に戻って、再び対話をしました。
どの学級も「自分も相手を大切にする」ということの具体を確認し合えたことでしょう。
2学期の初めには、つねいし交流広場(運動会)に向けて、「相手を想う行動は私たちの心を満たしていく」ということについても、対話を通して、そして、ともに競技をつくることを通して、考えていきました。
この経験は、これから様々な場で私たちの言葉や行動となって表れていくと思っています。