対話を通して学ぶ ~「聞く・聴く」ことの大切さ~

学びについて考えるとき,私たちは,体験を通して学ぶということを大切にしています。
でも,私たちは体験をしなければ豊かな学びにならないのか?
私たちが体験できることはそんなに多くはありません。
先日,教室をうろうろ回っていると,2年生が「見てみて」と声をかけてくれました。

 


『カエデ』の色について家で調べたことを書いていました。前日,低学年の子どもたちは,午前中に学校の周りの春見つけの探検に行っていました。「昨日,春見つけで発見したの?」と聞いてみると,「ぼくは探検に行かなかったんだ。ぼくは,昼から学校に来たんだけど,みんなが春見つけのことをふりかえっているのを聞いて,調べたくなったんだ。ほら,あそこに写真があるでしょ。」と教えてくれました。


教室のホワイトボードには,赤と緑のカエデの写真が残っていました。
探検の日の午後,子どもたちは教室で探検の振り返りを行っています。それを聞いていた彼は,きっと想像力を働かせながら,友達が体験したことを聞いていたのでしょう。「聞く・聴く」ということは,そこに主体があります。彼は『カエデの色はなぜ赤色や緑色があるのだろう』と自ら問いを持ち,家に帰ってお母さんの携帯を借りて調べたのだそうです。
子どもたちが,対話を通してお互いの体験や考えを共有することが,それぞれの学びを豊かにしていきます。自分が体験していなくても,友達の体験を「聞く・聴く」ということが学びへの刺激となるのです。体験を通して学ぶことと対話を通して学ぶことを行き来しながら,学びが深化しています。

2021年04月22日