何度だって やり直せばいい!

 

低学年のグループリーダーからお伝えします。

午後の活動で取り組んでいる「ピカピカ泥団子」作り。(色水遊びを選んでいる人もいます。)
入学してからの2週間,登校してお家の方と離れる時に涙が出ていた1年生のお母さんが,「泥団子のおかげで登校しやすくなったみたいです。」と話してくださいました。
恐るべし泥団子。
そうは言いつつ,泥団子作りに取り組んで3年目になる私も,泥団子パワーを実感してきています。

〈エピソード〉下校直前に泥団子がこわれてしまう
1年生がともに学園で初めて作った泥団子。
私も一緒に作っていたので,その泥団子がただの泥団子ではないことを知っていました。
上手に作る2・3年生に教えてもらい,真似をして,「光った!光った!」と嬉しそうに見せてくれた泥団子です。
その泥団子が,下校の直前にこわれてしまったのです。
家の人に会った瞬間,こらえていた感情が溢れ出してしまいます。
どうするかなあ…と10分ほどお母さんやお兄ちゃんと声をかけていたら…砂場へ走り出し,もう一度泥団子を作り始めました。
次の日から,虫カゴに草や葉をふかふかに敷いて泥団子を入れていました。

 形を作ること以上に,保管することが難しい泥団子。
泣いていてももとには戻らない泥団子。
考えなければ,理想の“ピカピカ”の泥団子はできません。
人工的に作られた油粘土や「泥団子キット」とは違って,運動場の土は人間の思う通りにはなりにくいのです。
土や泥団子の様子を見て触って観察し,自分が力の加減を調整し,保存の仕方を工夫するしかないのです。
 

それでも,泥団子を作る子ども達は「時間があっという間に過ぎる!」と言うほど,夢中になって作っています。
失敗しても,何度だってやり直せばいい。
土はいくらだってあります。
試行錯誤するには,もってこいの教材でもあります。


また,人間は大昔から土とともに生活してきた分,土を触っていると心が落ち着くのではないかと思っています。(実感しています。)
新しい環境は,ワクワクだけでなく(よりも?),ドキドキするものです。
私達大人も,子ども達と一緒に泥団子を作っていると,新年度の慌ただしさを忘れ,子ども達の新たな一面を見つけることができて,ほっとするひとときになっています。


「学ぶ」ことを意識し始めた低学年の学習の導入として,新しい環境で心穏やかにスタートする準備体操として,「ピカピカ泥団子作り」は,常石ともに学園の春の風物詩になりそうです。

 

 

 


 

 

 

2022年05月13日