一体,何が起きているの?(高学年編)

 毎日のように報道されているロシア・ウクライナ問題。たくさんの民間人が亡くなっている,ウクライナから他国へ逃げている人もいる,世界中を巻き込んだとんでもないことが世界で起きている…など,子どもたちも何となく知っているこの問題。ワールドオリエンテーションで動画も使いながらこの問題について正しく情報を得て,自分なりにとらえて考えてみる,という学びを展開しました。
 動画を観たり,自分たちで調べてみたりする中で,「ウクライナって結構大きいね。」,「ソ連は今のロシアよりも大きかったの?」,「NATOに加盟している国はどこなんだろう。」など子どもたち一人一人が問いを持って考え,まとめてきました。

 



 

 

 

 毎朝,小学生新聞を配布しているのですが,ある日の新聞記事に「なぜロシアを止められない」という見出しがありました。少し前に子どもたちが「何で戦争がずっとなくならないのかな。」と言っていたので,ちょうどよい機会だと思い,朝の時間に記事を読み,それぞれどう感じたかを書きました。

《子どもたちが感じたこと》
・戦争をしたら他の国の人たちも大変になるし,ウクライナの人も苦しむ。ロシアの物を買うとそのお金でロシアは武器などを買ってウクライナとの戦争をしている。ロシアの物を買いたくなくても必要になるから,今大変なことが起こっているんだと思う。

・ロシア産のガスは輸入をやめればよいと思いましたが,天然ガスのほとんどがロシア産なので輸入しないようにするのは難しいと思います。EUが輸入する原油の27%,天然ガス45%はロシア産。特にドイツは国内で使う天然ガスの5割以上をロシアに頼っていたそうです。輸入をやめてしまえば,ドイツの人や他の国の人も困ってしまいます。だからといって戦争を続けてよい理由にはならないと思います。

・もし日本がロシアの天然ガスなどをもらえなかったら不便になると思う。資源を買わないということは無理だと思った。ロシアを止めるにはどんなことをすればよいのかと思う。


 また,ウクライナとロシアの民話の読み聞かせを行いました。ウクライナの民話「てぶくろ」,ロシアの民話「おだんごパン」の2冊を紹介しました。聞いている子どもたちも真剣です。

 

 

 

 「てぶくろ」を読んだ後,「この話の建物をニュースで観たよ。てぶくろのところだけ残ったんでしょ。」という声も挙がりました。この建物を設計した人が日本人だと伝えると「えー!そうなんだ!日本人もつながっているんだね!」と。ニュースで観て知ったことがみんなのものになり,民話とニュースで観た内容がつながっていきました。
 世の中で起きていることに正面から向き合うことは大切です。子どもだからといって知らなくてもよいということはありませんし,正しい情報が何なのか見極める力もとても重要です。もちろん,ロシア人だから,ウクライナ人だから…と決めつけることは絶対にあってはいけないことです。そういう人種・人権問題にも深く触れながら新聞記事やニュースから自分なりに問いを持って調べたり,考えたりすることを大切にしていきたいです。子どもたちがそういう学びを実現できるように,私たち大人もしっかりサポートしていきたいと思います!

2022年05月02日