平成22年度 中学校卒業式 式辞

      式   辞

 式辞の冒頭に当たり,さる三月十一日,東北地方を襲ったマグニチュード九・0の大地震により,太平洋沿岸地方を襲った大津波による大災害は,発生から一週間経った今も,一万人を超える人々の行方がわからず,亡くなった方は五千人を超えています。亡くなった方々の御霊に心より哀悼の意を表するとともに,被災をし,今尚,不自由な生活を送られている多くの方々に対し,お見舞い申し上げます。
 本日はここに,福山市教育委員会委員長 内海康仁(うつみやすと)様を始め、多くのご来賓の皆様及び保護者の皆様のご臨席を仰ぎ、福山市立福山中学校,第五回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員・在校生にとり大きな慶びであり,誠にありがたく厚くお礼申し上げます。
 ただいま卒業証書を授与され,晴れて福山中学校を卒業された,一二0名の卒業生の皆さん,そして保護者の皆様,ご卒業,誠におめでとうございます。本校教職員とともに,心からお喜び申し上げます。
 皆さんは,広島県東部では初めて,平成十六年に本校が,併設型公立中高一貫教育校として開校して以来,福山中学卒業五期目の卒業生となります。三年前大きな夢と希望を持って入学したみなさんは,福山中学校の新たな伝統を築く,大切な役割を担ってきた卒業生でもあります。
 私たちは,福山市民や多くの地域の方々から,高い関心と期待を寄せていただいたことや,福山市及び福山市教育委員会,本校同窓会及び,PTAなど多くの関係者の皆様のご支援・ご協力をいただいたことに深く感謝することを忘れてはなりません。
 本校は、中高一貫教育の特性を活かし、中学生と高校生が同じ学びの場で互いに関わりあう機会を大切にしています。部活動や学校行事等の活動を通して、異年齢の集団が互いに切磋琢磨し、支えあいながら一歩一歩成長していきます。一樹祭や体育祭などの学校行事では学年や校種を越えた生徒同士のかかわり合いを深める機会を多く持っています。
 この3月1日に卒業した福山中学二期生の先輩たちは,福山高校での高校生活を有意義に送り,自己の進路目標に向け精一杯頑張りました。その結果昨年の,一期生を大きく上回る進路実績を残し,後輩たちへの励みとなる努力を示してくれました。あとに続く者が,年を追うごとに福山高校の姿を変えてくれています。みなさんもこのような本校の動きをさらに進めていただきたいと思います。皆さんの中の多くの人は,四月から福山高校へ進学します。六年間をひとつのまとまった教育の期間とする併設型中高一貫教育校では,中学校の卒業はちょうど折り返し地点です。福山中学校で送った三年間の生活を振り返り,伸ばすところは伸ばし,改めるべきところは改め,もう一度原点に返ってこれからの高校生活の在り方をじっくり考えてください。高等学校では,中学校以上に自ら学習する意欲が問われます。自分で考え行動に移すことが大切です。  本校の生活で学習活動や部活動,ボランティア活動などの,さまざまな体験を通して身に付けた力は,皆さんがこれから社会で立派に行き抜く「生きる力」となります。自己の目標に向かい,一歩一歩確実に努力するひたむきな姿を,最後まで貫くことが,「生きる力」を高め,人生をより良く生きるということにつながると思います。
 これから待っている高校生活にも,きっとつらいことや苦しいことに遭遇することがあると思いますが,このような時こそ,志を高く持ち、自己の夢の実現に向けて、一歩一歩努力を積み上げてください。
 本校での三年間の学校生活の中で,みなさんの周りには,いつも多くの信頼できる友がいたと思います。毎日通学を一緒にした友,部活動で汗を流した友,一緒にお弁当を食べた友など,学校生活でたくさんのかけがえのない友を得たことと思います。中学時代に得た友達は,その後の人生で,長く固い絆で結ばれることが多いものです。
 十八世紀のアメリカの政治家で,独立戦争を指揮し,のちにアメリカ合衆国初代大統領となったジョージワシントンは「真の友情はゆっくり成長する植物である。友情と呼ぶにふさわしいところまで成長するには度重なる危機にも耐え抜かねばならない」と述べています。 
 みなさんも,本校で共に学んだ多くの友を大切にし,いつまでもその絆を結び続けてください。
 終わりになりましたが、保護者の皆様へ一言申し上げます。本日はお子様のご卒業,誠におめでとうございます。心からお喜び申し上げますと共に,これまで本校のさまざまな教育活動に対し,多大なご支援ご協力を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。中学生として,すくすくと成長された,この三年間のお子様の姿を見ると,様々な思いが浮かばれるのではないかと思います。本校教職員はお子様の成長の一助となるべく,日々,関わりを深めてまいりましたが,時にいたらぬ事もあり,ご迷惑をおかけしたこともあったと思います。
 本校での三年間の生活を終え,義務教育の過程をすべて終了したことになりますが,卒業生の多くは,福山高等学校に進学し,その学びを継続して行きます。今後も本校に対し,変わらぬ末永いご支援をお願い申し上げます。
 卒業生のみなさんのこれからの飛躍と,明るい前途を祝して,式辞といたします。

 平成二十三年三月一七日

   福山市立 福山中学校

         校長  大 谷 典 史