「あなたは,ばらの花が好きですか?」
■ いま,なぜ「ことばの教育」なのか
・話しかけても,単語でしか答えず,会話にならない。
・筋道を立てて話したり,書いたりすることが苦手だ。
・すぐにキレて,言葉より手や足が先に出てしまう。
最近の子どもたちの言葉について,このようなことが心配されています。日常のコミュニケーション力や情報理解力が不足し,自分の考えや気持ちを相手に伝えるための基本となる言葉の力が身についていないのです。
■ 「問答ゲーム」とは?
朝の会や授業の最初の時間に,次のような問答形式で指導します。
・先生 「あなたは,ばらの花が好きですか?」
・子ども「はい,好きです。」
・先生 「誰が好きなのですか?」
・子ども「私が好きです。」
・先生 「どうして好きなのですか?」
・子ども「豪華な感じがして,豊かな気持ちになれるからです。」
・先生 「では,まとめて言ってみてください。」
・子ども「私は,ばらの花が好きです。わけは,とても豪華な感じがして,豊かな気持ちになれるからです。」
「問答ゲーム」は,このように結論を先に述べて,主語をはっきりさせ,わけが説明できるようにするための「ことばの教育」の第一番の指導方法です。
■ 「再話」とは?
約1000字程度の昔ばなしなどを教材として,次のような授業をします。
・1回目の読み聞かせ。先生が全文をゆっくりと読み,大まかな内容をつかませる。
・あらすじの確認。子どもたちに登場人物や大切な言葉などを答えさせながら,黒板に書く。
・2回目の読み聞かせ。段落ごとの最初の言葉を記したプリントに,要点をメモさせる。
・原稿用紙へ再話。黒板やメモをもとに,あらすじや登場人物を変えないで,全文を書き記させる。
「再話」は,情報理解力や文章表現力を育てる基本的な指導方法です。
■ 子どもたちの変化
・職員室に,体育館のカギを借りに来て,「2年1組の○○○○です。体育館のカギを貸してください。これから体育の授業で使います。」と,大きな声ではっきりと用件を言うことができます。
・殴り合いのけんかをしていた3年生の子どもどうしが,仲裁に入った6年生に,何が腹が立ったのかを,泣きながらも一生懸命に話すようになっています。
・6年生が,卒業式のお別れの言葉で,「友達といろんな会話ができるようになって,人間関係が深まったように思います。」と「ことばの教育」の成果を語っています。
問答ゲームや再話の指導を受けた子どもたちには,このような変化が見られています。
■ 家庭でできる「ことばの教育」
・「知らない」「別に」と子どもが言ったら,「どうして?」と丁寧に質問する。
・「どうして?」「なぜ?」との子どもの質問に,できるだけその場でしっかりと答える。
・「お母さん,牛乳!」との言い方には,「牛乳がどうしたの?」と問い返し,用件をはっきり言わせる。
ご家庭でも,こうしたことに取り組んでいただき,学校と家庭が一致して,子どもの言葉の力を育てていきたいものです。